「映画で旅する自然派ワイン」イベントに登壇した渡辺満里奈(写真:坂田正樹)
タレントの渡辺満里奈が11月1日、特集上映「映画で旅する自然派ワイン」と題した2本のドキュメンタリー映画『ジョージア、ワインが生まれたところ』『ワイン・コーリング』公開を記念して、都内・シネスイッチ銀座で行われたトークイベントに出席。大のワイン好きを公言する渡辺は、本特集上映の見どころとともに、ライフスタイルにおけるワインの在り方、そして体と地球に優しい自然派ワインの魅力について語った。
秋の気配を感じると、「食事も美味しく、ワインが恋しくなる」という渡辺。映画に登場する自然派ワインにも日頃から関心があるようで、「すごく優しい味で、二日酔いをしないんですよね。“ちょっと今日は飲み過ぎだったかな?”というときも、意外と頭がすっきりしているんです」と高評価。「特に飲み始めが自然派ワインだといいですよね。味の基準がそこになるので、いろんなワインを飲んでも、最後はまた自然派に行き着くっていうのが素敵かも」と笑顔を見せた。
映画『ジョージア、ワインが生まれたところ』より
普段の食事でも必ずお酒を嗜むという渡辺。「お友だちと親睦を兼ねて飲むこともありますが、夫(名倉潤)と2人で飲むことが多いですね。『結婚してもう何年かぁ』としみじみ語ったり、子供の巣立った後、『2人になったらどうしようか?』とか、まるで老夫婦みたいな会話をしていますね」と苦笑い。さらに老後について 「夫は『俺は友だちが少ないから、ママは友だちと一緒に旅行に行っちゃたりするんだろうな』と淋しそうにぼやいているのを見て、『そうかもね~』なんておどけてみたり。そんな何気ない会話がとても豊かな時間なんですよね」と幸せをかみしめた。
映画『ワイン・コーリング』より
ライフスタイルに強いこだわりを持っていそうな渡辺だが、「私がいつも思うのは、『こうでなくちゃいけない』というのが苦手で、全てがオーガニックじゃなければいけないとか、何々は食べちゃいけないとか、自分の生活を縛ってしまうのがとても窮屈。ベースになるものは自然なものを採り入れたりはしていますが、もっと気軽にチョイスできればと思いますね。そのチョイスの回数が増えていくと、意外に社会とつながっていたり、環境問題につながっていたりするかもしれませんし」。こだわりはあるが、こうでなければならない、という縛りではない……そのスタンスは、ワイン生産者の本能的な部分にも似ているかもしれない。
「映画で旅する自然派ワイン」イベントに登壇した渡辺満里奈(写真:坂田正樹)
本特集上映は、オーガニック大国フランスと、ワインの起源の地・ジョージアから、有機栽培のブドウを使い、添加物を極力使用せずにワインを造る生産者たちの真摯な取り組みと、自然と共に生きるライフスタイルを追った2本の映画をお届けする企画。いち早く映画を鑑賞した渡辺は、「『ジョージア、ワインが生まれたところ』で、自然派ワインの工程を初めて知ったんですが、すごく知的好奇心をくすぐる映画でした。もう1つの『ワイン・コーリング』は、生産者の哲学というか、その姿勢がかっこいいんですよね。生き方として刺激されました」と絶賛。最後は客席を見渡しながら、「多分、ワイン好きの方がたくさんいらっしゃると思うので、映画が終わったあと、どこへ行くか、お店を考えておくのも楽しいかもしれません!」とイベントを締めくくった。
(取材・文・写真:坂田正樹)
「映画で旅する自然派ワイン」
シネスイッチ銀座、アップリンク渋谷、
アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開中
映画『ジョージア、ワインが生まれたところ』
紀元前6000年に遡る世界最古のワイン醸造の起源を持つジョージア。2013年にユネスコ世界無形文化遺産に登録されたクヴェヴリ製法は、素焼きの甕を土の中に埋め、ジョージア固有のブドウ品種と野生酵母により発酵・熟成するワインの醸造法であり、その新しい味わいに今、世界から注目が集まっている。かつてはどの家庭でも作られていたこの伝統製法のワインは、ソ連の占領とソ連式大量生産による品種削減や禁酒法などの影響により、現在は極めて少量しか作られていない。本作は、逆境に立ち向かいながら「究極の自然派」と呼ばれるクヴェヴリ製法を守ってきた人々のドキュメンタリーである。
監督・撮影・編集:エミリー・レイルズバック
出演:ジェレミー・クイン、他
2018年/アメリカ/78分/英語、ジョージア語/DCP/1:2.35
原題:Our Blood Is Wine
字幕翻訳:額賀深雪
翻訳協力:ニノ・ゴツァゼ
字幕監修:前田弘毅
配給・宣伝:アップリンク
映画『ワイン・コーリング』
南フランス、ルーション地方。フランス自然派ワインのパイオニアともいわれるジャン・フランソワ・ニックの元には、 同じくワイン造りに取り組む者たちが集まってくる。 彼らは常に情報交換をし収穫に人手が足りなければ助け合い、 ワイン造りを行っている。早朝から汗を流して働き、 家族とともに食事をとり、 夜は仲間たちと楽しくワインを飲む。自然と向き合うことは苦難の連続だが、「必要以上にお金を稼ぐ必要はない」「納得できるワインを届けたい」と、そんな苦労をものともせず、ナチュラルに大いにワイン造りと人生を楽しんで生きている。生産性を追い求めることなく、どんなに手間がかかろうとも、体と地球に優しいワインを作り続ける彼らの姿は、人生で本当に大切なものは何かを私たちに教えてくれる。
監督:ブリュノ・ソヴァール
出演:ジャン・フランソワ・ニック、他
2018年/フランス/90分/フランス語/DCP/5.1ch/1:1.85
原題:WINE CALLING
配給・宣伝:クロックワークス